そして、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの『雪の女王』

しかし、単に『雪の女王』で検索してもアナ雪関連ばかりが出てくるのにはつくづくうんざりです。「アナ」をマイナス検索すればマシになりますが。
海外の『Frozen』批判の意見を読んでみて、原作の『雪の女王』は素晴らしい、あまりにも素晴らしいフェミニズム文学だった事を思いました。アナ雪とズートピアは日本ではどうしてこう賞賛一色なんですかね…。雪の女王はずっと前から有名な童話だったと思うのですが、その原作に思い入れのある日本人は本当に全然いないのか。
海外の『Frozen』批判者曰く。アナ雪は、メインの二人以外の登場人物は男性ばかりだ。原作の『Snow queen』は目的こそ幼なじみの男の子を助け出す旅だがその過程で主人公ゲルダは様々な女性と出会う。少女から妙齢の女性、老婆、王女から山賊、魔法使いまで。年齢も立場も様々な個性的な女性達が物語を彩る。彼女等は男の添え物ではなく自立した賢い女性達だ。原作はこのように魅力的な女性キャラクターに溢れていたというのにどうして『Frozen』ではサブキャラを男性で固めてしまったのか。マスコットの雪だるままで男だ。……というふうに。
この批評を読んで、つくづく原作の『雪の女王』は魅力的な物語だった事を思いました。ゲルダ、カイ、雪の女王、以外の登場人物の中では山賊の娘が印象的でしたがこの批評を読んで「王女」のキャラクターの魅力にもあらためて気付かされました。この物語の中で出てくる「王女」はとても賢く、それまで結婚するつもりはなかったがある日自分の意思で結婚する事を決め、お触れを出します。彼女と結婚し「王子」になった少年と彼女がお互いを選んだ理由は、相手が聡明であり、話していて楽しかったから、なのです。この話の「王女」は、勝者に与えられるトロフィーなどではなく、自分の意思で相手を選び結婚するのです。素敵じゃないですか。このキャラクターの魅力に気付き、自立した女性に恋愛や結婚は不要、などという考えに違和感を持っていた私としては溜飲が下がる思いでした。
いや、本当に素晴らしいです雪の女王フェミニズム文学と言われて頷ける。原作者は男性ですけれど。