にわか慈善家

被災者に対し募金とかボランティアとか、それ自体はいい事だとは思うのですが。ネット上の反応を見ていると何か怖い。事あるごとに「日本すごい」をアピールする気持ち悪さ。
だってその人達は多分、普段経済的弱者、被差別者に対し、とても冷たい目を向けているからです。
地震とか台風とか、テロとか、殺人事件とか。「これまで無謬でやってきたのに突然の事件で不幸な目に遭った被害者」に対してだけはとてつもなく優しくなれますよね。
普段は生活保護を叩き、ホームレスやニートを見下し、弱者叩きに精を出している人々が。
経済的弱者に対して自己責任論を使うならば、被災者だって自己責任である筈だ。さっさと日本を出なかったのが悪かった。こんな所に住んでいるのが悪かった。原発を推進するような政治家を選んだのが悪かった。犯罪被害者にだってその理屈は使える筈だ。
被災者は無謬として扱うのに、経済的弱者は努力不足だと断じるのは何故なんだろう?面接に落ちるのは会社の選択の結果で求職者の努力でどうこうなる問題じゃない。資格試験のように何点取れば合格というシステムじゃなく、パイが決まっている以上努力だけではどうにもならないのに。

略奪が全然ないと煽っているのも不審な気持ちになる。実際窃盗も起きているようですが、それに対して過剰に嘲笑う空気があるような。
被害者を過剰なまでに聖者として崇め、少しでも違っていると一気に弾圧に回るような日本の風潮。性犯罪被害者は若くて美しい処女でないと許せないような心理を感じる。
綺麗な被害者、綺麗な弱者のみを求める風潮が怖い。