異類婚姻譚とジェンダーについての

今日金曜ロードショーで放映される『崖の上のポニョ』にちなんでか、twitter上で「人間と異界の存在との恋愛の場合、異界のものがが女である場合異界のものの方が人間界に定着する結末になるが、異界のものが男である場合人間の女の方が異界へ行く」というようなRTが回って来たのを見て思ったのですが。
そもそも異性間恋愛を当然の前提にされているなーとか、異世界の男の方が人間界にやってくるor人間の男の方が異界の住人となる物語もいくつか思い付くよーとか、色々思う所はあるのですが。
それだけでなく。
その指摘をした人はおそらく男尊女卑に対するフェミニズム的な指摘を考えていたのだろうと思うのですが。それまでいた世界を捨ててまで恋した相手の世界へ行くのが女であり、自分の住んでいた世界に縛られているのが男であると考えた場合、不自由なのは男の方では?と考える事も出来るなと思いました。生まれた世界とか、種族とか家柄とか、そういったものは個人の意思で選んだものではない訳です。それに比べて恋愛というのはより個人的なものであり、その気持ちにしたがって動く事はより自由で楽しい事なのでは?と。生まれた環境にいつまでも縛られる事が必ずしも恵まれた事だとは思えません。
(『シュレック』では人間のお姫様が美しい姿を捨ててシュレックと同じ種族になった訳ですが、これはジェンダー的に考えるとどうなのかなー。男の側に合わせたと言い方もできますが、それ以上に、女は美しくあれという既存の規範に逆らった画期的な作品とも言えると思いますし。)