米軍基地反対運動と脱原発運動は違う

大江健三郎氏が脱原発かあ…
彼は沖縄の件で叩かれていて、少なくともその時は私は彼の姿勢を支持していたのですが、脱原発に関しては正直うんざりです。口先だけの綺麗事に熱心になるあまり福島で現に苦労している人達の気持ちを考えていないようにしか思えません。
左翼批判的な文脈で原発を沖縄の米軍基地と同じように扱い、福島県民が必ずしも脱原発運動を支持しないのと同じように沖縄の人々も反基地運動にうんざりしていると語る、そういう声をよく聞きますがそれは違うんじゃないかなと思います。
確かに私は沖縄の人ではないし行った事すらないので現地の人々の気持ちは分かりませんが、基地問題原発問題を同一視するような意見にはすごい違和感があるんですよねー。
だって米軍基地は政治的な問題であり、アメリカが撤退すると決めればすぐにでもなくす事は出来、その後の産業の問題なども考えていけばいい事ですから。難しくはあっても不可能ではないでしょう。観光資源豊かな沖縄であれば、基地に頼らない経済を作る事は可能な筈です。人知の範囲内の問題でしょう。
一方原発というのはなくそうと思ってもすぐ止められるものではないらしいですし廃炉にするにも時間と技術が必要です。そして何より、脱原発した所で今の福島の放射能がなくなる訳ではない。今脱原発に熱心になる事は、福島は手遅れだから見捨てろというメッセージに思えてなりません。
皆さん、放射能を戦争や経済苦のように人間の意思で何とかなるものだと思っていませんか。原発事故は人災とは言っても、地震によるビルの倒壊や津波による堤防の決壊と同じで、今更デモをした所で解決できる問題ではないでしょう。デモで放射能はなくなりません。努力次第でどうにかなる筈の問題と、努力してもどうしようもない問題を同列に並べて語るのには違和感があります。
要するに私は米軍基地反対運動は支持し、脱原発運動は支持しません。片方に賛成ならもう片方にも賛成で、片方に反対ならばもう片方にも反対で当然みたいな理屈はやめて欲しいなーと思います。