中絶は殺人だし、中絶は認めるべきだと思う

中絶は殺人だし、中絶は認めるべきだと思う

私は女だけど「中絶は女性の権利」という意見には全く賛同できません。
だって胎児とその母親は別の人間、別の個人だから。胎児は母親の付属品ではなく一個の生命体だから。「女性の権利」としての中絶を認めるのは、母親が幼い子供を虐待して殺すのと同じようなものだと思う。(事実母親による虐待死の場合、加害者無罪論が目立つけれど。)
その上で、私は中絶に反対してはいません。なぜなら命は尊いとは特に思っていないからです。中絶されるような子供は、どうせ死んだ方が幸せだろうという諦観を持っているから。母親の権利ではなく子供の権利として、幸せに生きる権利を重視するからこそ、望まれない子供はどんどん中絶されればいいと思う。
そして権利も義務も、妊婦にあるなら妊娠させた男にだってあるに決まっていると思う。中絶は女性の権利と声高に叫ぶ事は、やり逃げ男を無罪放免にする理屈にしか見えない。「中絶は女性の権利」いう、一見きれいな言葉は、胎児に対する男性の責任を免責する嫌な言葉だと思います。
で、興味深いのは、中絶賛成派は死刑反対派、中絶反対派は死刑賛成派と、大体分かれている点ですね。命を大事にするから死刑も中絶も反対とか、命なんて軽いものだから中絶賛成という人はあまり見ない。特に、人命を重んじるリベラル派の中絶礼賛論はとっても不思議に思います。
そもそも日本では、保守派からの中絶反対意見自体殆ど出ていないと思いますが。日本における妊娠中絶とは大変に優生思想的なもので、リベラルな人権思想とは真逆と言っていいものです。だから日本において「権利としての中絶」を語るとどうしても違和感が生まれる。人間の価値が軽い、人権思想が薄い、そういう土壌だからこその日本の妊娠中絶の現状です。
中絶を「女性の権利」として無邪気に肯定する人達は、事前診断により障害児が積極的に中絶されている事実をどう思うのでしょう。出来損ないを始末する事も女性の権利だから、もっと事前診断による中絶が広まるべきだと思っているのでしょうか。