白ゆき姫殺人事件

食わず嫌いしていたのですが、読んでみたら結構面白かったです。ネタバレですよー。








面白かったとは思いますが、凄く心揺さぶられるという訳ではなく、あくまでジャンクな読み物として、かな。夕子の描写がもっと多ければ感想は変わっていたと思います。
美姫の幼なじみの谷村夕子。美姫とはお互いをアンとダイアナと呼びあう仲。引きこもりでお洒落もしないにも関わらず、『白ゆき姫』こと三木典子よりも美しいらしい。一人称はオレ。他のキャラクターが現実を戯画化した下世話さなのに比べ、谷村夕子だけは漫画やラノベのキャラという感じなのですが。でも印象的なキャラクターですしかなり好きです。
美姫を一途に愛している夕子。ダイアナでなくギルバート、と言っているところからして、百合というよりは性同一性障害だと思った方がいいのでしょうか。その辺きっちり分けている訳でもないのかな?
あー!美姫と夕子のその後が気になりますー!!もう結婚しちゃえばいいんじゃない?美姫も本当はずっと前からダイアナが好きだったんじゃない?と思う訳で。でも夕子がヒキニートである以上は将来的に厳しいのかもしれない。いや、赤星の個人情報を個人情報晒しの手腕からして、夕子はスーパーハッカーで稼げるネオニートなのかもしれない。
……と、本筋である三木典子殺しは割とどうでもよくて、ひたすらアンとダイアナが気になるお話でした。
この話全体を通して中心の位置にいるのが城野美姫なので、殺された三木典子ではなく城野美姫の方を白ゆき姫と見做して、タイトルは『白ゆき姫殺人事件』ではなく『白ゆき姫の殺人』にした方がよかったのでは?と思いました。そのくらい三木典子の存在感は薄い…。
みのりも良い子だったと思う!ブログを見て、ちょっと美姫を疑ってしまったのは悲しいけれど、そこは人間誰しもが持つ弱さっていう事で。