三人っ子政策を疑う

よく少子化対策として語られる、三人目の出産からは補助金を出すというアイディア。私はあれ、無意味だと思います。
確かに、晩婚ならば子供を沢山産む事は無理だとは言えるかもしれません。
でもその反対の、若くして結婚したからといって沢山子供を産むかというと、それはけして正しくないんじゃないのではないかと。
1980年代以降の日本では、もう子供の数は二人がベスト、何なら一人でも十分だという社会的コンセンサスが取れちゃってると思うんですよ。
だから三人っ子政策は少子化対策として効果がないと思います。
二十代前半、いや十代で結婚した女性が、まだまだ若くて出産リミットまで時間があるから沢山産もうと考えるかと言えば、そんな訳ないですよ。若くして結婚しても、産む子供の数は少ないのです。
たとえ16歳で結婚しようが一人っ子がベストだと思えば一人で打ち止めです。若いから沢山産むなんてそんなバカな。戦時中に十何人と産んでいたのと同列に考えちゃいけないと思います。
芸能人とかを見ても、二十歳前後の若い時に第一子を産んだ女性が子供はそのまま一人だけっていうパターンが結構多くないですかね。
だから結婚が遅ければ産む子供の数は一人ないし0人になるだろうとは言えても、早ければ三人以上とは言えないと思うのです。
16歳で結婚しても一人で十分な人は一人しか産まないし、まあ32歳でも二人欲しければ二人産むでしょう。その程度の問題です。
そしてお金だって、沢山あったからといってそれだけ子供を産む訳ではない。
ていうか真面目に考えて下さい。三人以上の子供なんて、欲しいですか本当に?子育てにお金がかかるとかそういう問題以前に、そんなに沢山欲しいですか子供って?一人目と二人目が同じ性別続きで別の性別の子供も欲しいな〜と思うなら有り得るかもしれませんが、最初から子供の数は三人以上欲しい!って思っている人が果たしてどれだけいるんでしょうか。
三人目以降に補助金を出せば皆喜んで産むという主張もたまに見ますが、女性をどれだけバカにしているのか。
まあお金が貰えれば三人目を産みたいという人ならいるのかもしれませんが……それってまさにお金目当てですよね。子供の為を考えたらそれでいいの?本当に?
現実に個々の女性の気持ちを考えたら、既に二人産んでいる女性がもう一人産むよりも、まだ一人も産んでいない女性が一人は産みたいと考える場合の方が絶対に多いです。なぜ、「産みたいけれど相手がいなくて産めない人」という現実に一番よくあるパターンを無視して、「既に二人産んだけどお金が足りないから三人目を諦めた」という、果たして本当に存在するのか定かではないパターンをあたかも多数派かのように想定するのか。
とにかく、少子化自体の是非は置いておいて、少子化を食い止めたいなら既婚者や既に子供を産んだ夫婦に限定した方策は無意味です。未婚率を下げる事でしか少子化は解消しない。