既得権益者の無自覚さ…『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』

サンドラ・ヘフェリンさんの『ハーフが美人なんて妄想ですから!!』という本を読みました。
タイトルは面白かったけれど、美人じゃないとしてもやっぱりハーフは『純ジャパ』よりはずっと恵まれていると思いますよ。日本で一番差別されている人種は純日本人ですから。
この人の中では理想ハーフ>純ジャパ>残念ハーフ、という事になっているようですが(二番目は書かれていませんがおそらく)、現実は理想ハーフ>残念ハーフ>(越えられない壁)>純ジャパ、だと思います。たとえ貧乏でも、日本語しか話せなくとも、ハーフの割に美人じゃなくても、それでも「純ジャパ」よりは絶対に恵まれています。そう言い切れます。
特に、白人との間のハーフがいじめられるなんて、日本ではまず有り得ないと思いますし、万が一あったとしてもその何千何万倍もの「純ジャパ」がいじめられています。いじめられるのは常に弱者です。白人とのハーフはそれだけで十分強い立場にあるんですからそうそういじめられたりはしないでしょう。可能性としては、白人とのハーフはいじめる側に回る事の方が多いのでは?いじめっ子=美人ですからね。
こういう本を読んだ純日本人が、ハーフの苦悩とやらに共感すると思うとさらにイラッときますね。日本人は基本、同じ日本人に対して冷淡ですから。
「天然パーマのハーフの苦悩」に共感する人たちも、「硬い黒髪の純日本人の苦悩」には共感しない。同じ純日本人なのに。
日本人ってやつは、自分自身が負け組であっても同じ負け組には共感せず、何故か勝ち組ゆえの「孤高なる苦悩」には共感するという奇妙な性質を持っているようです。
この人だってハーフである事を利用して日本で商売している訳で、日本社会がハーフに対して無関心になられたら困るでしょうに。
今の日本の、この過剰なまでのハーフ優遇について『純ジャパ』が不満を訴えたところで、おそらく日本人は支持しないんだろうなあと思います。同胞(のみ)に冷たい国、ニッポン。ハーフが受ける苦痛の百倍、『純ジャパ』がその容姿ゆえに貶められている場面は多い訳ですが、それを訴えたところで「ブスの僻み」で済まされるという…。ハーフはいいなー、明らかに優遇されているのにこういうふうに愚痴って、それを被害妄想だと叩かれずに済んで。
「あちらが側の人だと思われてしまう」と言いますが、本当に「こちら側」に入りたいですか?日本人はお客様扱いの相手に対しては卑屈なまでに親切ですが、一旦内側の人間と認めると同調圧力でがんじがらめにしてくるんですが。「ハーフだから仕方ない」として見てもらえる方が「同じ日本人なんだから」と横並びを強要されるよりもずっと幸せではないでしょうか。
ハーフがいじめられると言いますが、純日本人の方がいじめられますよ。ハーフだからいじめられたと思っている人達はその影にある何倍もの、純日本人に対するいじめは見えていないのではないでしょうか。
白人とのハーフだけで、それでも純日本人に比べれば扱いはずっとましだと思いますよー。見た目が違わない中国や韓国とのハーフでも、やはりアドバンテージはあるでしょう。日本人だと丁寧な接客態度を求められて当然のコンビニバイトですら中国人だといい加減な態度で許されたりしますし。
日本人扱いされたいって言ってるハーフの人達は、日本において純日本人がどんな扱いをされるのかちょっとでも真面目に考えた事があるのかな…。こんだけハーフが優遇されている国ならば、そりゃあハーフに生まれたかったって思うのも当然だと思います。
日本人の定義は結局人種的なものであって国籍は関係ないんだろうなと。アメリカ生まれアメリカ育ちの日系アメリカ人であっても、両親や祖父母が全員日本人で見た目が純日本人なら多分日本人扱いされるかと。
それから初対面でプライバシーに関する質問って、何もハーフに限った事じゃないと思います。